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めまいで困っている方・ご自宅で治したい方へ

良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療体操

どの半規管に入った耳石でも使える 2つのセルフケア体操

朝起き上がるときや寝返りを打ったときに「ぐるぐる回るめまい」が起きるのは、内耳の耳石(じせき)が原因のことがほとんどです。お薬で抑えるより、頭を特定の順序で動かして耳石を元の場所に戻す「体操」が最も確実な根本治療になります。

解説記事・動画はこちら

1なぜ「頭を動かす体操」で治るのか?

耳石がバランスのセンサー(半規管)に迷い込むのが原因です
耳の奥には、体の傾きを感じる「耳石器(卵形嚢)」と、回転を感じる3つの「半規管(後半規管・外側半規管・前半規管)」があります。本来の場所から剥がれ落ちた耳石が半規管に入り込むと、頭を動かしたときにリンパ液を揺らし、強い回転性めまいを起こします。
→ 飲み薬は「一時的に症状を和らげる」だけですが、治療体操は「耳石を元の場所へ戻す・散らす」根本治療です。

2【方法①】ユニバーサル法(URM:片耳のどの半規管でも1回で戻す)

患側(症状が強い方の耳)が分かっているときにおすすめ
キムら(2023年)が提唱した新しい体操です。後・外側・前どの半規管に耳石があっても、片耳1回の一連の動きで耳石を元の卵形嚢へ戻すことを目指します(所要時間:1回 約2〜3分)。
手順 1
【座位】頭を「患側(めまいが強い耳の方)」へ45°向ける
ベッドや布団に背筋を伸ばして座り、顔を悪い方の耳へ斜め45度向けます。
手順 2
【患側下の横向き】頭の向きを保ったまま、患側を下にして倒れる30秒キープ
顔の向き(患側45°)を変えずに、患側の肩を下にして横向きに寝ます。めまいが起きても30秒静止します。
手順 3
【あお向け】頭の向きを変えずに、体をあお向けに転がす30秒キープ
頭を患側45°に向けたまま、体をゴロンとあお向け(仰臥位)にします。そのまま30秒静止します。
手順 4
【健側下の横向き+うつむき】健側を下にし、頭を床側へ45°うつむける30秒キープ
体をさらに90°回転させて良い方の耳(健側)を下にし、頭を床側へ斜め45°うつむかせます(30秒静止)。
手順 5
【座位へ復帰】頭を軽くうつむけたまま、ゆっくり起き上がる
頭をうつむけた姿勢を保ちながら、足をベッドから下ろしてゆっくり座った姿勢に戻ります。
⏱️ 実施の頻度と目安
  • 1日 2〜3回、3日間を目安に行います。
  • 1回で症状がピタッと治まることもあります。
  • めまいが強い場合は、各姿勢で治まるまで静止してください。
✨ メリットと注意点
  • 半規管の特定が不要で、複数の半規管に入っている場合も有効。
  • 即効性が期待できます。
  • 首に強い痛みや脊髄の病気がある方は事前に医師へご相談を。

3【方法②】ブランドット-ダロフ法(Brandt-Daroff:自宅で安全・再発予防)

左右どちらの耳か分からないとき・自宅で安全に続けたいときにおすすめ
左右交互に体を倒す古典的なホームエクササイズです。耳石を細かく分散させ、脳がめまいに慣れる(前庭代償)のを促します。半規管や左右の特定が不要で、誰でも安全に実施できます。
手順 1
【座位】ベッドの中央に座り、まっすぐ前を向く
足をおろして座り、正面を向いて姿勢を整えます。
手順 2
【左へ倒れる】頭を右45°に向けたまま、左へバタンと倒れる30秒キープ
顔は天井(斜め上)を向く形になります。めまいが消えるまで少なくとも30秒間じっとします。
手順 3
【座位に戻る】起き上がって正面を向き、30秒休む30秒休憩
ゆっくり元の座った姿勢に戻り、まっすぐ前を向いて30秒間静止します。
手順 4
【右へ倒れる】頭を左45°に向けたまま、右へバタンと倒れる30秒キープ
今度は顔を左に向けたまま右へ倒れ、顔は天井(斜め上)を向けます。30秒間じっとします。
手順 5
【座位に戻る】起き上がって正面を向き、30秒休む(これで1往復完了)
座った姿勢に戻り30秒休みます。これを連続5往復(=1セット)行います。
⏱️ 実施の頻度と目安
  • 1セット=左右往復5回。
  • 1日 3セット(朝・昼・就寝前)を2週間継続します。
  • 治った後も週1〜2回続けると「再発予防(体操貯金)」になります。
✨ メリットと注意点
  • 左右も半規管も特定不要で、自宅で安全に行えます。
  • URM法に比べると効果が出るまでに数日〜2週間ほどかかります。
  • めまいが強い日は無理せず回数を減らしてください。

42つの体操の選び方 & 実践のコツ

体操名 左右・半規管の特定 即効性 おすすめの場面 推奨回数・期間
URM法(ユニバーサル) 患側(悪い耳)のみ必要 ◎ 高い 外来指導後・早く治したいとき 1回2〜3分 × 1日2〜3回(3日間)
Brandt-Daroff法 不要(左右どちらも可) △ じっくり 自宅セルフケア・再発予防 1日3セット(計15往復・2週間)

5こんな時はすぐに受診・救急(119)を

⚠️ 脳卒中など危険なめまいのサイン(BPPV以外の病気)
手足・顔の麻痺片側の手足に力が入らない・しびれる
ろれつ・言葉ろれつが回らない・言いたい言葉が出ない
見え方の異常物が二重に見える・視野の半分が欠ける
激しい頭痛経験したことのない強い頭痛・首の激痛
※ BPPVは「頭を動かしたときだけ数十秒起こる」のが特徴です。安静にしていても続くめまいや上記症状は救急受診してください。
✍️ 外来指導・メモ欄(医師と一緒に確認しましょう)
原因と思われる耳:[ 右 ・ 左 ・ 特定困難(両側) ]
処方された体操:[ ① URM法(1日2〜3回) ・ ② Brandt-Daroff法(1日3セット) ]
次回受診日・相談先:
医知創造ラボ|監修:今村久司(脳神経内科専門医・指導医/総合内科専門医・指導医)
この資料は一般的な医療情報の提供を目的としています。めまいの原因や体操の適応については、必ず主治医の診断・指示に従ってください。
くわしい動画・解説記事は blog.ichisouzo-lab.com(右上のQRコード)からご覧いただけます。