A4・1枚(「少量なら脳に良い」の現在地・純アルコール量の数え方・男性40 g/女性20 gの意味・急にやめる危険・相談メモ欄。カラー印刷推奨)

お酒を飲む方とご家族へ

お酒と認知症のこと
「少量なら脳にいい」は、まだ証明されていません

答えは「どうやって調べたか」で変わります。

「少量なら脳に良い」とも「少しでも脳には悪い」とも言われます。違うのは調べ方です。この紙は、お酒をやめさせるための紙ではなく、いまの量を数えて担当の先生と相談するための紙です。

くわしい解説記事

1「少量なら脳にいい」は、調べ方で答えが変わります

なぜ食い違うのか。理由のひとつは、「飲まない人」のなかに、体を悪くしてお酒をやめた人が混ざっていることです。ただし、もともと生涯飲まない人と、やめた人とで差がなかったという研究もあり、これだけでは説明しきれません。どの調べ方でも一致しているのは、「多く飲むほど不利」という側だけです。

2お酒の量は「純アルコール量(g)」で数えます

純アルコール量(g)= お酒の量(ml)× 度数(%)÷ 100 × 0.8
お酒(目安の量)純アルコール量お酒(目安の量)純アルコール量
ビール 500 ml(5%)20 g日本酒 1合 180 ml(15%)約22 g
缶チューハイ 350 ml(7%)約20 g焼酎 100 ml(25%)20 g
ワイン グラス 120 ml(12%)約12 gウイスキー ダブル 60 ml(43%)約21 g

3「男性40 g・女性20 g」は、飲んでよい量ではありません

4減らすときは、自己判断で急にやめないでください

⚠️ 急にやめると危険なことがあります

毎日飲んでいる方が自己判断で急にやめると、手のふるえ・汗・不眠・不安、まれにけいれんや意識の乱れ(離脱症状)が起きることがあります。量が多い方ほど注意が必要です。減らし方・やめてよいかどうかは、必ず主治医と決めてください。

5この紙が言っていないこと

⚠️ 3つとも、この資料が言っていないことです

「少量なら脳に良い」とは言っていません。紹介したのは観察研究で、お酒を割りつける予防試験は倫理的にできません。

「やめれば認知症を防げる」とも言っていません。そして「飲まない人のほうが認知症になりやすい」とも言っていません。この紙は、お酒を始める理由にはなりません。

6いまの量の記録と、相談するときのメモ欄

✍️ 今日やることは2つ。「いまの量を数える」と「気になることを伝える」
目標の量や、減らし方・やめ方は、この紙では決めません。必ず主治医と決めてください。
1日に飲む量(種類・量・度数)
上の式で計算した純アルコール量(g/日)
週に何日飲むか / 飲まない日はあるか
記憶が飛んだこと・転んだこと・眠りの変化
飲んでいるお薬(睡眠薬・安定剤など)/次の受診日
医知創造ラボ|監修:今村久司(脳神経内科専門医・総合内科専門医)
この資料は、PubMedで実在を確認した一次文献と厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(令和6年2月)をもとに作成しています。扱った研究はほとんどが観察研究で、「少量なら脳に良い」ことも「やめれば認知症を防げる」ことも証明されたわけではありません。