A4・1枚(危険因子に加わった経緯・白内障手術と認知症の関連・「もともと健康なだけ」への反証・ランダム化試験が無いこと・測り方でPAFが変わる理由・向きが逆の病気・相談メモ欄。カラー印刷推奨)

見えにくさが気になる方・ご家族へ

見えにくさは、白内障の手術で
「取り戻せる」ことがあります

——ただし、認知症を防げると証明されたわけではありません。

「年のせいで見えにくいのは仕方ない」——そう思って放っておいていませんか。この紙は、認知症×生活習慣病シリーズ第9弾として、2024年の認知症予防委員会報告が新しく取り上げた「見えにくさ」について、一次文献の範囲でまとめたものです。

くわしい解説記事

1「見えにくさ」も、2024年から危険因子リストに入りました

2白内障の手術を受けた人では、その後の認知症が少なかった

3「手術を受けられる人が、もともと健康なだけ」ではないか

4それでも、ランダム化比較試験は一つもありません

⚠️ この紙が言っていないこと

「白内障の手術を受ければ、認知症を防げる」とは証明されていません。ここまでの研究は、すべて手術を「受けた人」と「受けなかった人」を後から比べた観察研究です。手術を受ける人と受けない人を実際にくじ引きで分けて確かめた試験(ランダム化比較試験)は、一つもありません。

大規模な解析を行った研究者自身も「今後、ランダム化試験でさらに確かめられるべきだ」と結論しています。日本のデータ(奈良県・2,764人)でも、白内障の手術歴はもの忘れの軽い段階(軽度認知障害)とは関連しましたが、認知症そのものとは関連が見られませんでした。

5知っておきたい、あと2つのこと

6今日、担当の先生に相談したいこと

✍️ 今日やることは2つ。「見え方の変化を書き出す」と「相談する」
手術を受けるかどうかは、この紙では決めません。担当の眼科の先生と決めてください。
最近の見え方の変化(まぶしい・かすむ・二重に見える等)
前回の眼科受診日
白内障・緑内障などで指摘されたこと
もの忘れ以外に気になる変化
次の受診日
医知創造ラボ|監修:今村久司(脳神経内科専門医・総合内科専門医)
この資料は、PubMedで実在を確認した一次文献(白内障手術と認知症のコホート研究・メタ解析・メンデルランダム化研究・藤原京アイスタディなど)をもとに作成しています。扱った研究はすべて観察研究またはメンデルランダム化研究で、「白内障の手術で認知症を確実に防げる」ことは証明されたわけではありません。