自己判断でやめないでください
睡眠薬は、
正しく減らせば卒業できます
急に0にすると、かえって眠れなくなることがあります。
睡眠薬をやめたい・減らしたい方とご家族へ。焦って自己流でやめる前に、まず「眠り方の練習」を身につけることが近道です。減らすときは、主治医と一緒に少しずつ。中身をまとめています。
1まず知ってほしいこと
自分の判断でやめる急に0にすると、かえって眠れなくなったり(反跳性不眠:はんちょうせいふみん)、体調をくずしたりすることがあります
正しく減らせば多くの方が、主治医と一緒に少しずつ減らすことで、薬をやめられます(「卒業」できます)
この資料は「やってはいけないこと」→「先にやる眠り方の練習」→「安全な減らし方」の順にまとめてあります。焦らず、この順番で進めましょう。
2やってはいけないこと
⚠️ 次の5つは、危険な飲み方・やめ方です
自己判断で急に中断するかえって眠れなくなったり(反跳性不眠)、体調をくずします
自分で「隔日」に飛ばして飲む急に間隔をあけると、体がついていけません
お酒と一緒に飲む効きすぎたり、記憶がとぎれたりする危険があります
眠れないからと自分で量を増やす増やすほど眠れるわけではなく、リスクだけが上がります
家族や友人の薬をもらう・あげる体質や量が合わず、思わぬ事故につながります
やめたい・減らしたいと思ったら、まず主治医に相談してください。自己流の工夫は、どれも危険です。
3先にやるのは「眠り方の練習」
薬を減らす話の前に、まず「眠り方の練習」(認知行動療法・CBT-I:にんちこうどうりょうほう)を身につけましょう。今夜からできることです。
- 刺激制御法(しげきせいぎょほう) ベッドは「眠るためだけの場所」にする
→ 眠くなってから床に入る。なかなか眠れなければ、一度起きて別の部屋で過ごす
- 睡眠制限法(すいみんせいげんほう) 床にいる時間を、実際に眠れている時間に近づける
→ 毎朝同じ時刻に起きる。よく眠れるようになったら、少しずつ時間を延ばします
- 認知再構成法(にんちさいこうせいほう) 考え方を見直す
→ 「今夜も眠れなかったらどうしよう」という思い込みをゆるめます
- リラクゼーション法 体の緊張をゆるめる
→ 寝る前に、深呼吸や筋肉をゆっくりゆるめる練習を行います
📍 実際に効果が確認された研究の結果
眠りにつくまでの時間約20分短縮
夜中に目が覚めている時間約26分短縮
睡眠の効率約10ポイント改善
生活習慣を整えるだけ(早寝早起き・カフェインを控えるなどの「睡眠衛生」だけ)では、不眠症は治りにくいとされています。上の4つの練習を組み合わせることが大切です。
4減らし方は、主治医と一緒に少しずつ
減らす練習(漸減)だけ薬をやめられた人 直後38%・1年後24%
漸減+眠り方の練習を併用薬をやめられた人 直後77%・1年後70%
睡眠薬を減らす患者さんを対象にした研究で、漸減に「眠り方の練習」を組み合わせたグループのほうが、薬をやめられた人がはっきり多くいました。
※ 目安として、65歳以上の方は使っている期間に関わらず、18歳以上65歳未満の方は4週間より長く使っている場合に、主治医から「少しずつ減らしていきましょう」と提案されることが多いとされています。
減らすペースは、一人ひとり違います。「どれくらいの速さで」「どの薬から」は、主治医が体調を見ながら個別に決めます。自己判断でペースを決めないでください。
5依存の少ない薬への置き換えという選択肢
薬の種類によっては、依存や反跳(はんちょう)が起きにくいとされるもの(メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬など)もあります。こうした薬への置き換えが選択肢になることもあります。
どの薬が合うかは、体質やこれまでの経過を見て主治医が判断します。具体的な薬の種類・量は、この資料では扱いません。受診のときにご相談ください。
6こんなときは主治医へ
🚨 次のどれかに当てはまれば、早めにご連絡ください
薬を急にやめてしまった反跳性不眠や離脱症状の危険があります
眠れないつらさが増して、日中もつらい減らし方を見直す必要があるかもしれません
不安・イライラ・手のふるえなど、いつもと違う離脱症状の可能性があります
お酒の量が増えている・自己判断で量を変えた危険な飲み方につながります
「自分でなんとかしよう」とせず、気になることがあれば、次の受診を待たずに早めに相談してください。
📝 次の受診のときに、伝えること
「なんとなく減らしたい」ではなく、下の欄に書いてから受診すると話が早く進みます。
いまの薬と量
減らす計画(いつまでにどう)
次回受診日
困ったこと・気づいたこと