1
なぜ神経の医師が「血圧」にこだわるのか?
脳心血管病の死亡原因
第 1 位
数ある生活習慣病の中で、日本人が脳卒中や心筋梗塞で命を落とす最大の寄与因子が高血圧(特に脳内出血で絶大)。
認知症の予防可能性
14 因子中 1つ
中年期の高血圧は晩年の認知症リスクを増加。中年期から適正に管理することで脳の血管性変化を抑制。
2
測り方でこんなに違う!血圧の正しい基準値
診察室血圧
140 / 90
病院では緊張して高めに出やすいため、基準はやや高めの140/90 mmHg以上。
家庭血圧(リラックス時)
135 / 85
普段の生活での血圧。診察室より5mmHg低く判定。ガイドラインでは家庭血圧を優先。
夜間血圧(睡眠中)
120 / 70
寝ている間は下がるのが正常。120/70以上は夜間高血圧として脳心血管リスクが倍増。
3
脳卒中の血圧管理:急性期と慢性期でルールが激変!
⚠️ 急性期(発症直後)
むやみに下げてはいけない!
脳の血管が詰まりかけた時、高血圧は脳血流を保つ生体防御反応。急激に下げると梗塞巣が拡大する恐れがあります。
🛡️ 慢性期(再発予防)
しっかり 130/80 未満を目指す!
再発を防ぐためには厳格な管理が不可欠。ただし、ふらつきや脱水、立ちくらみが出ないよう慎重にコントロールします。
4
立つと下がり、寝ると上がる?「血圧のパラドックス」
パーキンソン病や多系統萎縮症などの神経疾患では、自律神経の乱れにより「起き上がると急激に下がり、横になると異常に上がる」現象が同じ人に起こります。
朝・起き上がった時
起立性低血圧
(めまい・立ちくらみ・失神リスク)
(めまい・立ちくらみ・失神リスク)
⇄
夜・ベッドで寝た時
臥位高血圧・夜間高血圧
(心臓や脳への過度な負担)
(心臓や脳への過度な負担)
※医師は「下げる薬」をただ増やすのではなく、飲む時間や姿勢(頭を少し高くして寝る等)を工夫して治療します。
5
まとめ:今日から持ち帰る3つの約束
1
高血圧は脳心血管死の最大原因であり、認知症の予防可能因子。神経内科の外来は「血圧を下げる場」でもある。
2
脳は場面によって求める血圧が変わる。急性期は下げすぎず、慢性期は130/80未満。夜間や起立時の変動も大切。
3
神経疾患そのものが血圧を乱す。下げる薬だけでなく「いつ・どの姿勢の血圧か」を見極める。