家族のかかわり方を 6分 で解説
BPSDはかかわり方で減らせる。
非薬物ケアが第一選択です。
CHAPTER
BPSD(認知症の行動・心理症状)はほとんどの方に一度は現れますが、背景には痛み・不安・退屈などの満たされないニーズや、環境の引き金があります。ここに工夫の余地があります。
家族のかかわりを通じた非薬物ケアはBPSDを減らし、その効果は薬物療法に匹敵すると報告されています。
| かかわり方 | 効果の要点 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ①まず薬以外を | 非薬物が第一選択・抗精神病薬は死亡リスク | 原則 |
| ②理由を探す | 痛み・不安・環境などの引き金を特定 | 観察 |
| ③環境・接し方 | リズム・なじみ・否定しない声かけ | 安心 |
| ④合った活動 | 後追い・くり返しが軽減(活動プログラム) | 活動 |
| ⑤音楽・なじみ | 抑うつは改善・興奮/攻撃性には効きにくい | 感覚 |
| ⑥家族を支える | 家族介入でBPSD減・介護負担も軽減 | 介護者 |
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BPSDへの対応は非薬物的アプローチが第一選択です。認知症の方への抗精神病薬は、無作為化試験のメタ解析で死亡がプラセボより多いことが示されています。
「まずお薬以外の工夫から。お薬が必要なときは、効果と副作用を見ながら主治医と慎重に決めます」
痛み・空腹・便秘・トイレ・不安・退屈・暑さ寒さ——言葉にしにくい不快が引き金になります。困った行動の直前に何があったかをメモに残すと、パターンが見えてきます。
数日で急に混乱が強まったら、発熱・脱水などの体の病気による「せん妄」を先に疑い、受診を。
「違う」と否定・訂正し、言い争いで不安が強まる
ゆっくり短く・笑顔で共感。事実より安心を優先し、落ち着ける空気を作る
昔の趣味や家事の一部など、本人が楽しめる活動を取り入れると、後追いやくり返しの質問が減り、介護の負担も軽くなります。
「上手にできるかより、一緒に楽しめるか。短い時間から、うまくいった活動を続けましょう」
好きな音楽をかければ、興奮や攻撃性も必ず収まる
音楽は抑うつや行動全般は和らげるが、興奮・攻撃性そのものには効きにくいと報告されている
家族介護者を通じた非薬物介入のメタ解析では、BPSDが減ると同時に介護者の負担も軽くなりました。介護する人が学び・休むことは、回りまわって本人の落ち着きにつながります。
ケアマネジャー・地域包括支援センター・家族会に相談を。休息をとることも大切な介護です。
数日で急に混乱・幻覚・興奮が強まった
発熱・脱水・食べない・尿が出ない
自分や周りを傷つける危険が続く
家族が眠れず追い詰められている
困った行動の前に何があったか。まず引き金と体調を確かめましょう。
否定せず、ゆっくり短く。なじみの活動や音楽で落ち着ける環境を。
一人で抱えず相談を。薬はまず薬以外を試し、必要なら主治医と慎重に。
Kales HC, et al. BMJ. 2015;350:h369.BPSDの評価と管理・DICEアプローチ
Brodaty H, Arasaratnam C. Am J Psychiatry. 2012;169(9):946-53.家族による非薬物介入のメタ解析
Gitlin LN, et al. Am J Geriatr Psychiatry. 2008;16(3):229-39.本人に合った活動プログラム
van der Steen JT, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2025;3:CD003477.音楽療法(系統的レビュー)
Schneider LS, et al. JAMA. 2005;294(15):1934-43.抗精神病薬と死亡リスク
日本神経学会. 認知症疾患診療ガイドライン2017.BPSD・非薬物療法
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