指導医の5つの問いかけ【DEFT-AI】
禁止しない。使った瞬間を教育機会に変える
5つの問いかけがある。
診断推論スコア
76% 対 74% の差
スコアは鑑別の妥当性・支持/反証所見・次の検査を採点したルーブリック(%表示)。
Goh E, et al. JAMA Netw Open. 2024(医師50名・単盲検RCT)
LLM単独群のスコアは、従来資源のみ群より16%ポイント高かった(95%CI 2〜30、P=.03)。
道具の性能は高い。使いこなせていないのは人。渡し方=指導のしかたの問題。
症例設問のうち、実際に
LLMに投げられた割合
Healy J, et al. Diagnosis (Berl). 2026
| 提示したAI | 診断精度の変化 | 評価 |
|---|---|---|
| 標準AI(説明なし) | +2.9%ポイント | 有意に改善 |
| 標準AI(説明つき) | +4.4%ポイント | 有意に改善 |
| 偏ったAI(説明なし) | −11.3%ポイント | 有意に悪化 |
| 偏ったAI(説明つき) | −9.1%ポイント | 悪化(改善は非有意) |
医師457名(hospitalist・NP・PA)・ベースライン精度73.0%のランダム化臨床ビネット調査。Jabbour S, et al. JAMA. 2023.
系統的に偏ったAIの悪影響は、説明を添えても改善しなかった(Jabbour 2023)。
ベースライン成績が低い臨床家ほどAI併用で不利益を受ける。AIが医師を上回る場面では「人+AI」が「AI単独」より悪化する。
LLM出力を正しく評価できた
割合(中央値)
Waldock WJ, et al. BMC Med Educ. 2025
「clinical prompt engineeringを知っていた」と答えたのは、わずか5%だった。
出力を評価する力も、プロンプトを組む力も、検証は自動的には起きない。教えて初めて身につく。
アンカリング=先に示された診断を1位のままにする傾向。
| 対象 | 先に示された診断が1位のまま |
|---|---|
| LLM(8種) | 55.6% |
| 研修医(PGY1-3) | 21.2% |
| 指導医 | 10.0% |
内科外来ビネット9対・225回答(Sheppert A, et al. Int J Med Inform. 2026)。AIが見落とした症例では読影者の感度中央値も71%→39%(Taib AG, et al. Radiology. 2026)。
FRAMEWORK
| 要素 | 名称 | 尋ねること |
|---|---|---|
| D | Diagnosis, Discussion, and Discourse | 臨床推論と、使ったAIツール・プロンプトのプロセス |
| E | Evidence | 支持する根拠と反証する根拠の両方 |
| F | Feedback | 見落とした鑑別・知識のギャップの内省 |
| T | Teaching | 推論とAI利用の両方への一般原則 |
| AI | AI Engagement Recommendation | 次はどの監督レベルでAIを使ってよいか |
学習者の臨床推論プロセスとAI利用のしかたを、AIの答えより先に確認する。
どのAIに、どんなプロンプトを打ったか。出力が診断をinfluenced/replaced/augmentedのどれをしたか。
代替仮説を生成できるかどうかは、adaptive expertiseの証。AIリテラシーの自己評価も同時に行わせる。
「そのAIはどうやってその結論に至ったと思うか」
自己評価を土台に、成長機会を学習者自身の言葉にさせる(guided self-reflection)。
見落とした鑑別・医学知識のギャップ・AIリテラシーの3つ。
原則は "encourage ongoing practice with AI"。使うな、ではない。
| 行動 | 向いている場面 | 診断・意思決定 |
|---|---|---|
| centaur(分担) | 高リスク・不確実な診断 | 自分の判断で必ず検証 |
| cyborg(協働) | 低リスク・定型的な業務 | AIと反復してすり合わせる |
両者は排他的ではない。タスクとリスクに応じて行き来できることがadaptive practice(Abdulnour 2025)。
SNAPPSはこの系譜に含まれない(原著本文に0件)。
DEFT-AIはフレームワークの提案であり、効果を断定する研究はまだ無い。
学習者の答えを
先に言わせる。
どのAIに、
何を打ったか聞く。
次はどの監督レベルで
使ってよいかを渡す。
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