医知創造ラボ

飲酒と認知症

「少量なら脳にいい」は本当か。
この動画は、お酒をすすめるものではありません

#07 監修:脳神経内科専門医
02
はじめにBEFORE WE START

この動画は、お酒をすすめる話ではありません


🍶 「少しなら飲んだほうがいい」は出てきません

ここで扱うのは、研究どうしが食い違う理由のほうです。

⚠ 急にやめるのが危険な人がいます

毎日飲んでいる人の自己判断の断酒は危険なことがある。まず主治医に相談を

飲酒を割り付けた予防試験は、倫理的に行えません。ここにあるのは観察が中心です。

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今日の結論TODAY'S CONCLUSION

答えは「どうやって調べたか」
変わります

結論
  • 発症率を追う観察研究は、少量でリスクが低いJカーブを出す。
  • 脳の画像と遺伝の方法は、少量の保護を支持していない。
  • どの方法でも一致するのは、多く飲むほど不利という側。
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CHAPTER 01

OBSERVATIONAL STUDIES

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観察研究
何と言っているか

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2つのメタ解析Zarezadeh 2024 / Xu 2017

少ない側でいちばん低くなる


研究少ない側多い側
17研究
80,680人
1日1〜17.5 g
RR 0.92
1日17.5 g超
RR 1.23
11研究
73,330人
低い側でいちばん低い多い側で上昇に転じる

これがJカーブ。ただしこれは発症率を追った観察研究の話です。

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日本・JPHC 研究Shimizu 2023

日本でも、多い側は不利


42,870人を約15年ハザード比
週450 g以上1.34(1.12–1.60)
常習的な多量飲酒1.96(1.49–2.59)

参照群は週75 g未満、要介護認知症4,802例。
「飲まない人」の話は、あとでまとめて扱います

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CHAPTER 02

BRAIN IMAGING

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脳の写真
何と言っているか

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MRI で見た2つの研究Topiwala 2017 / Daviet 2022

少量でも、良い話が出てこない


🔬 英国・30年の追跡(550人)

週240 g 超で海馬の萎縮 OR 5.8週112〜168 g でも OR 3.4

🧠 英国バイオバンク・36,678人

1日8〜16 g の人ですでに認められ、量が増えるほど強くなる。

⚠ どちらも観察研究で、飲酒が脳を縮ませた証明ではありません

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20,729人の脳画像Topiwala 2022

週56 g を境に、鉄が増える


🧲 週56 g を超えたあたりから

脳の一部で鉄が多く見られた。被殻 β=0.08、尾状核 0.05。

⚠ 「少量なら大丈夫」の線は引けていない

平均54.8歳の集団での観察。鉄が多いこと自体は症状ではない

これは週の平均であって、毎日その量を飲んでいるという意味ではありません

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CHAPTER 03

MENDELIAN RANDOMIZATION

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遺伝で調べると
どうなるか

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2標本メンデルランダム化Andrews 2020

遺伝で調べると、保護は出てこない


🧬 メンデルランダム化とは

生まれつきの遺伝子の違いを使って、因果の向きを調べる方法

結果:因果的な関連の証拠は得られず

飲酒量・アルコール依存・AUDIT のいずれも、アルツハイマー型との因果は支持されなかった。

⚠ 「証拠が得られない」は、「影響がない」の証明ではありません

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食い違いの理由FOUR REASONS

食い違う理由は、4つ


理由中身
参照群の汚染「飲まない人」に、体を悪くしてやめた人が混ざる
逆因果具合が悪くなったから減らした、という順番
測るもの発症率を見るか、脳の構造を見るか
開始年齢高齢から見始めると、先に脱落した人が入らない

同じ英国のコホートから、発症率の論文と脳画像の論文が別々に出ています

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日本・JPHC のパターン解析Shimizu 2023

「飲まない人」には、やめた人が混ざる


飲まない人の内訳ハザード比
一度も飲まなかった人1.61(1.28–2.03)
以前は飲んでいて
やめた人
2.54(1.93–3.35)

一括りにすると、やめた人の高いリスクが混ざります参照群は週75 g未満。

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15コホート/英国コホートMewton 2023 / Sabia 2018

ただし、全部は説明できない


📊 15コホート・24,478人

一度も飲まなかった人と、やめた人の差は HR 0.98(0.81–1.18)=差とは言えない。

⚠ それでも向きは残る

心血管代謝疾患のない非飲酒者に絞っても HR 1.33(0.88–2.02)。区間は1をまたぐ。

「やめた人が混ざっているだけ」では片づきません。一方の説明で終わらせない

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はっきりしている側Schwarzinger 2018 / Kilian 2023

一致しているのは、多い側


🏥 フランス・約3,162万人の入院データ

65歳未満で発症した認知症のうち、38.9% がアルコール関連だった。

⚠ 一般の集団の割合ではない

これは入院データの、65歳未満で発症した人に限った数字。

欧州33か国の推計でも、1日24 g以上に起因する新規発症は
45〜64歳で女性3.2%・男性7.8%。

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厚生労働省ガイドラインMHLW 2024

日本の基準は、何 gなのか


🧮 純アルコール量の出し方

摂取量(ml) × 度数/100 × 0.8。ビール500 mL(5%)=20 g

⚠ 男性40 g・女性20 gは「飲んでよい量」ではない

「これらの量は個々人の許容量を示したものではありません(同ガイドライン)

生活習慣病のリスクを高める量として示された、ここから下げる出発点です。

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まとめSUMMARY

持ち帰るのは、3つ


01
答えは
調べ方で変わる

発症率はJカーブ。
脳の画像と遺伝は
保護を支持していない。

02
飲まない人には
やめた人が混ざる

日本では 1.61 に対し
やめた人は 2.54。
ただし全部は説明できない。

03
一致するのは
多い側の不利

減らす価値はここにある。
「やめれば防げる」とは
まだ言えない。

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この動画は情報提供です
個別の診断ではありません

飲む量を減らしたいときは、次の受診で相談してください

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