「少量なら脳にいい」は本当か。
この動画は、お酒をすすめるものではありません
ここで扱うのは、研究どうしが食い違う理由のほうです。
毎日飲んでいる人の自己判断の断酒は危険なことがある。まず主治医に相談を。
飲酒を割り付けた予防試験は、倫理的に行えません。ここにあるのは観察が中心です。
OBSERVATIONAL STUDIES
| 研究 | 少ない側 | 多い側 |
|---|---|---|
| 17研究 80,680人 | 1日1〜17.5 g RR 0.92 | 1日17.5 g超 RR 1.23 |
| 11研究 73,330人 | 低い側でいちばん低い | 多い側で上昇に転じる |
これがJカーブ。ただしこれは発症率を追った観察研究の話です。
| 42,870人を約15年 | ハザード比 |
|---|---|
| 週450 g以上 | 1.34(1.12–1.60) |
| 常習的な多量飲酒 | 1.96(1.49–2.59) |
参照群は週75 g未満、要介護認知症4,802例。
「飲まない人」の話は、あとでまとめて扱います。
BRAIN IMAGING
週240 g 超で海馬の萎縮 OR 5.8。週112〜168 g でも OR 3.4。
1日8〜16 g の人ですでに認められ、量が増えるほど強くなる。
⚠ どちらも観察研究で、飲酒が脳を縮ませた証明ではありません。
脳の一部で鉄が多く見られた。被殻 β=0.08、尾状核 0.05。
平均54.8歳の集団での観察。鉄が多いこと自体は症状ではない。
これは週の平均であって、毎日その量を飲んでいるという意味ではありません。
MENDELIAN RANDOMIZATION
生まれつきの遺伝子の違いを使って、因果の向きを調べる方法。
飲酒量・アルコール依存・AUDIT のいずれも、アルツハイマー型との因果は支持されなかった。
⚠ 「証拠が得られない」は、「影響がない」の証明ではありません。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 参照群の汚染 | 「飲まない人」に、体を悪くしてやめた人が混ざる |
| 逆因果 | 具合が悪くなったから減らした、という順番 |
| 測るもの | 発症率を見るか、脳の構造を見るか |
| 開始年齢 | 高齢から見始めると、先に脱落した人が入らない |
同じ英国のコホートから、発症率の論文と脳画像の論文が別々に出ています。
| 飲まない人の内訳 | ハザード比 |
|---|---|
| 一度も飲まなかった人 | 1.61(1.28–2.03) |
| 以前は飲んでいて やめた人 | 2.54(1.93–3.35) |
一括りにすると、やめた人の高いリスクが混ざります。参照群は週75 g未満。
一度も飲まなかった人と、やめた人の差は HR 0.98(0.81–1.18)=差とは言えない。
心血管代謝疾患のない非飲酒者に絞っても HR 1.33(0.88–2.02)。区間は1をまたぐ。
「やめた人が混ざっているだけ」では片づきません。一方の説明で終わらせない。
65歳未満で発症した認知症のうち、38.9% がアルコール関連だった。
これは入院データの、65歳未満で発症した人に限った数字。
欧州33か国の推計でも、1日24 g以上に起因する新規発症は
45〜64歳で女性3.2%・男性7.8%。
摂取量(ml) × 度数/100 × 0.8。ビール500 mL(5%)=20 g。
「これらの量は個々人の許容量を示したものではありません」(同ガイドライン)
生活習慣病のリスクを高める量として示された、ここから下げる出発点です。
発症率はJカーブ。
脳の画像と遺伝は
保護を支持していない。
日本では 1.61 に対し
やめた人は 2.54。
ただし全部は説明できない。
減らす価値はここにある。
「やめれば防げる」とは
まだ言えない。
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