問題は中年期の体重。
高齢になってからの「やせ」は、別の話
その人が何倍なりやすいか。95%信頼区間が1をまたぐと「差があるとは言えない」。
体重を割り付けた試験はない。因果を証明したものではない。
人口寄与割合(PAF)は集団のものさし。個人が何%下がるか、という意味ではない。
MIDLIFE BODY WEIGHT
| 研究 | 測った時期 | 結果(ふつうの体重と比べて) |
|---|---|---|
| メタ解析 | 中年期 | 全認知症 RR 1.64/アルツハイマー型 2.04 |
| Whitehall II | 50歳 | HR 1.93 |
| Whitehall II | 60歳・70歳 | 関連なし |
同じ研究の中で、50歳では出て、60歳・70歳では出ない。「中年期」を60代まで広げない。
⚠ この研究の「肥満」は BMI 27.0〜39.9。日本の肥満基準(25以上)とは別物。25.0〜26.9 は過体重、基準は 23.0〜24.9 に置かれている。
| 対象は40〜59歳 | ハザード比 |
|---|---|
| 男性 | 1.31 |
| 女性 | 1.37 |
定義をそろえずに数字だけ持ち出すと、別の集団の話にすり替わる。
WHY IT LOOKS REVERSED
BMI 20未満で認知症が34%多く、高度肥満では 29%少ない。晩年期に測ると関連は消える。
この研究の追跡は中央値9.1年と短い。短いとこう見える理由が、次のページにある。
⚠ 太ることを勧める根拠は、どこにもない。
| BMI を測った時期 | ハザード比 |
|---|---|
| 診断の10年以内 | 0.71 |
| 10〜20年前 | 0.94(0.89–0.99) |
| 20年より前 | 1.16 |
⚠ 「20年で切り替わる」ではない。0.94 の区間は 0.99 まで届いている。読めるのは「離れるほど連続的に上向く」まで。
のちに認知症と診断された人の BMI は、診断の8年ほど前から差が現れていた。
診断前から体重が減っており、診断が近づくほど減り方が加速していた。
高齢期の体重は、生活の結果であると同時にすでに始まった病気の結果でもある。
| 体重の変化 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 減った | 1.49 | 1.51 |
| 増えた | 1.23 | 1.21 |
⚠ 「体重が減った=認知症」ではない。がん・甲状腺・うつ・薬の影響など原因は多い。半年で5%以上減ったら、まず原因を調べる。
CAN WE ACT ON IT
中年期に腹部の脂肪の厚みを測り36年後まで追跡すると、BMI 調整後も HR 1.92。
炎症の指標(CRP)で調整すると有意でなくなる(−0.17±0.13、p = 0.17)。
「内臓脂肪が脳を縮ませる」とまでは言えない。向きは、まだ決められない。
| 研究 | 対象 | アウトカム | 結論 |
|---|---|---|---|
| デンマーク | 中年期を含む 一般集団 | 血管性認知症 | 因果的な リスク因子 |
| メタ解析併用 | 60歳以上 | 認知機能障害 | 因果的関連を 認めず |
違いは対象年齢とアウトカム=この動画の芯そのもの。
血圧が18〜25%を媒介するという推定もあるが、区間は 10〜61%・13〜75% と広い。
集中的な生活習慣介入を10年行い、平均11.4年まで追跡。認知機能障害の頻度に差はなかった。
過体重または肥満を伴う2型糖尿病の集団。一般の中年期集団の試験ではない。
中年期に増やさないことと、高齢で減らすことは別の問題。減らし方は主治医と決める。
PAF は集団のものさし。個人の大きさに近いのは、2章で見たハザード比のほう。
肥満は高血圧・糖尿病・身体不活動と重なる。足し合わせても全体にはならない。
肥満に手をつけることは、隣の因子にも同時に触れることを意味する。
40代〜50代の肥満で
関連が報告されている。
60代以降では出ない。
減り始めるのは
診断の8年ほど前から。
太ってよい話ではない。
10年の減量介入で
差は出なかった。
体重管理の理由は別にある。
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体重が減ってきたときは、次の受診で相談してください