食事・運動・禁煙節酒・FH拾い上げまで
症状がないから、とそのままにしていませんか。
動脈硬化は、静かに進みます。
大規模な研究の統合解析では、LDLコレステロールを下げるほど、心筋梗塞や脳梗塞などの血管イベントが着実に減ることが示されています。特定の「ここまで下げれば十分」という線引きはありません。
大切なのは「下げるほどリスクが下がる」という向き。生活で下げた分も、薬で下げた分も、方向は同じです。数字を暗記する必要はありません。
| 項目 | めやす | 意味 |
|---|---|---|
| LDL | 140以上=高値/120〜139=境界 | 動脈硬化の主役 |
| HDL | 40未満=低値 | "善玉"が少ない |
| 中性脂肪 | 空腹時150以上/随時175以上 | 食事・飲酒で動く |
※単位はmg/dL。これは「生活を見直す起点」であって暗記対象ではありません。めざす目標値は人によって違います(次のスライドへ)。
同じLDLの値でも、めざす目標は人で変わります。心筋梗塞・脳梗塞の既往、糖尿病、喫煙があると、より低く保つ必要があります。
「この値なら大丈夫」とは一律に言えません。目標値は主治医と決めます。数字だけで一喜一憂しないことが大切です。
脂身・バター・生クリーム・加工肉などの飽和脂肪酸を減らし、魚・植物油・ナッツの不飽和脂肪に置き換えると、心血管イベントが減ることが示されています(減らすだけでなく"置き換え"が鍵)。
「揚げ物・脂身・加工肉を控えて、魚を一品増やす」。同じ脂でも、何に替えるかでLDLの下がり方が変わります。
野菜・果物・全粒・豆・魚・オリーブ油・ナッツを中心にした地中海食パターンは、高リスクの人で心血管イベントを減らしました。オートミールや大麦の水溶性食物繊維も、LDLをわずかに下げます。
特定のサプリではなく食事全体のパターンが大切。オートミール・大麦・海藻・野菜を足すと、LDLが少しずつ下がります。
ウォーキングなどの有酸素運動を週150分、これに筋トレを加えると、LDLや中性脂肪が数mg/dL改善します。特に中性脂肪と内臓脂肪に効きます。
運動だけではHDLは上がりにくいのが正直なところ。過度な期待はせず、食事と組み合わせてこそ効きます。まずは続けられる範囲で。
食べる脂の量を控えると体重が少し落ち、それに連れてLDLも下がります。禁煙は動脈硬化予防に必須で、HDLの改善も期待できます。飲みすぎは中性脂肪を上げるため節酒を。
急な絶食ではなく続けられる範囲で少しずつ減量。禁煙と節酒は、HDLと中性脂肪にとって良い方向に働きます。
生活が改善し数値が良くなっても、それは「薬が効いている状態」です。良くなったからと自己判断で中断すると、多くの場合また上がってしまいます。
生活改善は薬の「代わり」ではなく「土台」。減薬やお休みを考えるときは、かならず主治医と相談してから決めます。
胸の痛み・締めつけ→狭心症・心筋梗塞のことも。すぐ受診・119
顔のゆがみ・腕の力が入らない・言葉が出ない→すぐ119
中性脂肪がとても高いと膵炎のことも→早めに受診
薬による強い筋肉痛・脱力→主治医に相談(自己中断しない)
「まず飽和脂肪を減らして、魚を一品増やしましょう。歩く習慣も少しずつ。それだけでもLDLは下がってきます」
「LDLは下げるほど血管の病気が減ります。目標値はあなたのリスクで決めます。薬が出ていても、数値が良くなったら自己判断でやめないでくださいね」
薬の代わりではなく、動脈硬化を防ぐ土台になる。
140や40は暗記する数字でなく、生活を見直す合図。
数値が良くても効いている状態。減薬は主治医と。
約300人に1人。3点チェックで気づいて受診へ。
いいえ。薬と生活はどちらも土台。食事の工夫は薬の効果を底上げします。
運動だけでは上がりにくいのが正直なところ。それでもLDL・中性脂肪には効きます。
自己判断はNG。良い数値は薬が効いている証拠。やめる判断は主治医と一緒に。
CTT(2010)— LDLは下げるほど良いLancet
Hooper(2020)— 飽和脂肪酸を減らすCochrane
PREDIMED(2018)— 地中海食Estruch R, et al. N Engl J Med
Kelley(2011)— 運動+食事で脂質改善Kelley GA, et al. BMC Medicine
Eid(2022)— FHは約300人に1人J Clin Endocrinol Metab
動脈硬化性疾患予防GL2022日本動脈硬化学会(一次資料)
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