医知創造ラボ

片側?両側?顔?
むくみの原因を"分布"から見分ける

どこが腫れているかで、鑑別リストは大きく絞れる

浮腫の鑑別 監修:神経内科専門医 研修医・総合内科向け
今日のテーマTODAY'S POINT

そのむくみ、
どこが腫れている

結論

分布と左右差「急性か」を足すだけで、
原因の当たりがつく。

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この動画でわかることAGENDA

5つの視点で、むくみを整理

1
なぜ分布で分けるのか4つの機序が分布に現れる
2
両側性・全身性の浮腫心・肝・腎・甲状腺・薬剤
3
片側性の浮腫の詰め方DVT・蜂窩織炎・リンパ浮腫
4
顔面・上半身の浮腫血管性浮腫・上大静脈症候群
5
修飾因子とレッドフラッグ圧痕性・経過・薬剤・緊急
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CHAPTER 01

CHAPTER

01

なぜ分布で分けるのか

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浮腫が生じるしくみMECHANISM

むくみは4つの機序から生まれる


毛細血管での濾過が、リンパによる排液を上回ると浮腫が生じます。その背景には次の4つの機序があります。

💧 4つの機序

① 静水圧の上昇(心不全・静脈閉塞)/② 膠質浸透圧の低下(低アルブミン:肝硬変・ネフローゼ・低栄養)/③ 血管透過性の亢進(炎症・血管性浮腫)/④ リンパ流の障害(リンパ浮腫)。

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分布という最初の分岐DISTRIBUTION MAP

「どこが腫れているか」で3方向


浮腫の分布は? 左右差・部位を見る 両側性・対称性 =全身性を考える 片側性(左右差) =局所性を考える 顔面・上半身 =上大静脈系を考える 心・肝・腎・甲状腺 低栄養・薬剤・特発性 DVT・蜂窩織炎 リンパ浮腫・静脈不全 血管性浮腫・SVC ネフローゼ・粘液水腫 🚩 急性・喉頭・上半身は緊急
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CHAPTER 02

CHAPTER

02

両側性・全身性の浮腫

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両側対称なら全身性SYSTEMIC CAUSES

手がかりと、次の一手


疾患手がかり次の一手
心不全JVD・起座呼吸・肺うっ血BNP・心エコー
肝硬変腹水優位・黄疸・脾腫Alb・腹部エコー
ネフローゼ朝の眼瞼・顔面・泡沫尿尿蛋白・Alb
甲状腺低下非圧痕性・寒がり・徐脈TSH・FT4
薬剤性両側下腿・薬剤開始と時間的関連薬剤歴・被疑薬中止

基本検査:血算・尿・電解質・Cr・血糖・TSH・Alb(Ely 2006)

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見落とされやすい2つEASY TO MISS

両側性で忘れがちな原因


OSAは肺高血圧がなくても、両側下腿浮腫を起こしうる

月経〜閉経期の女性で最多の両側浮腫は特発性浮腫
(立位で増悪・除外診断)

Trayes 2013(OSA)/Ely 2006(特発性浮腫・見落とされやすい肺高血圧)

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CHAPTER 03

CHAPTER

03

片側性の浮腫の詰め方

KEY NUMBER — DVT
71%

片側急性はまずDVT。
腫脹が71%・引きつれ様不快感が53%

Wells+D-ダイマー+圧迫エコーで評価
Chopard R, et al. JAMA. 2020

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よくある誤解RED LEG

「両側の赤い脚」=両側蜂窩織炎ではない


両下腿が赤い=両側蜂窩織炎として抗菌薬を開始

蜂窩織炎の約1/3は偽蜂窩織炎。
両側の赤い脚はまずうっ滞性皮膚炎を考える

Garcia 2021(蜂窩織炎診断の約1/3が偽蜂窩織炎)

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慢性の片側腫脹CHRONIC UNILATERAL

リンパ浮腫と慢性静脈不全


🦶 リンパ浮腫

慢性・無痛性・非圧痕性。起点はStemmer徴候(感度92%・特異度57%)。陽性は有力だが、陰性でも除外はできない。

🌆 慢性静脈不全

夕方・立位で増悪し、色素沈着・静脈瘤を伴う。高齢者の下肢浮腫で最も多い原因。

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CHAPTER 04

CHAPTER

04

顔面・上半身の浮腫

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顔面・上半身のレッドフラッグEMERGENCY

見逃すと危ない2つの緊急


🚨
血管性浮腫(気道の緊急)

口唇・舌・喉頭に及べば気道閉塞。ACE阻害薬は年単位経過後でも発症し、通常のアレルギー治療が効きにくい。

⚠️
上大静脈症候群(SVC)

顔・頸・上肢の浮腫+胸壁の側副血行+前屈増悪。多くは悪性腫瘍で腫瘍緊急症。

Baram 2013(ACE阻害薬性血管性浮腫)/Wright 2023(悪性SVC症候群)

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修飾因子:薬剤歴DRUG-INDUCED

両側下腿の圧痕性なら薬剤を疑う


ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は末梢浮腫の代表です。

💊 Ca拮抗薬の浮腫(Liang 2022)

71研究・56,283例のメタ解析で、ニフェジピンが最も浮腫を起こしやすく、ラシジピンが最少。ACE阻害薬/ARBの併用で浮腫リスクが低減する。

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分布からの鑑別まとめSUMMARY TABLE

分布 → 疾患 → 次の一手


分布・左右差まず考える疾患次の一手
両側・全身心・腎・肝・甲状腺・薬剤・OSAJVD+基本検査セット
片側・急性DVT・蜂窩織炎Wells+Dダイマー+エコー
片側・慢性リンパ浮腫・静脈不全Stemmer徴候・色素沈着
顔面血管性浮腫・ネフローゼ気道評価・ACE阻害薬歴
上半身上大静脈症候群側副血行の確認・造影CT
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⚖️

ご視聴にあたって

本動画は医療従事者向けの教育・知識整理を目的とした情報提供であり、特定の患者の診断・治療方針を保証するものではありません。数値・比率は各コホート研究・総説に基づく目安です。個別の判断は、最新のガイドラインと各症例の病歴・身体所見・検査に基づいて行ってください。

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まとめTAKE HOME

今日の3つの持ち帰りポイント


01
分布と経過を言語化

「両側か・片側か・顔か」「急性か・慢性か」を言葉にするだけで、鑑別リストは大きく絞れる。

02
片側急性・喉頭・上半身は緊急

片側急性はDVT、口唇・喉頭は血管性浮腫、上半身+側副血行はSVC症候群を最優先で除外する。

03
両側慢性は全身精査

心・肝・腎・甲状腺・低栄養・薬剤・OSAを、基本検査セットで系統的に振り分ける。

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