どこが腫れているかで、鑑別リストは大きく絞れる
分布と左右差に「急性か」を足すだけで、
原因の当たりがつく。
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毛細血管での濾過が、リンパによる排液を上回ると浮腫が生じます。その背景には次の4つの機序があります。
① 静水圧の上昇(心不全・静脈閉塞)/② 膠質浸透圧の低下(低アルブミン:肝硬変・ネフローゼ・低栄養)/③ 血管透過性の亢進(炎症・血管性浮腫)/④ リンパ流の障害(リンパ浮腫)。
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| 疾患 | 手がかり | 次の一手 |
|---|---|---|
| 心不全 | JVD・起座呼吸・肺うっ血 | BNP・心エコー |
| 肝硬変 | 腹水優位・黄疸・脾腫 | Alb・腹部エコー |
| ネフローゼ | 朝の眼瞼・顔面・泡沫尿 | 尿蛋白・Alb |
| 甲状腺低下 | 非圧痕性・寒がり・徐脈 | TSH・FT4 |
| 薬剤性 | 両側下腿・薬剤開始と時間的関連 | 薬剤歴・被疑薬中止 |
基本検査:血算・尿・電解質・Cr・血糖・TSH・Alb(Ely 2006)
OSAは肺高血圧がなくても、両側下腿浮腫を起こしうる
月経〜閉経期の女性で最多の両側浮腫は特発性浮腫
(立位で増悪・除外診断)
Trayes 2013(OSA)/Ely 2006(特発性浮腫・見落とされやすい肺高血圧)
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片側急性はまずDVT。
腫脹が71%・引きつれ様不快感が53%
Wells+D-ダイマー+圧迫エコーで評価
Chopard R, et al. JAMA. 2020
両下腿が赤い=両側蜂窩織炎として抗菌薬を開始
蜂窩織炎の約1/3は偽蜂窩織炎。
両側の赤い脚はまずうっ滞性皮膚炎を考える
Garcia 2021(蜂窩織炎診断の約1/3が偽蜂窩織炎)
慢性・無痛性・非圧痕性。起点はStemmer徴候(感度92%・特異度57%)。陽性は有力だが、陰性でも除外はできない。
夕方・立位で増悪し、色素沈着・静脈瘤を伴う。高齢者の下肢浮腫で最も多い原因。
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口唇・舌・喉頭に及べば気道閉塞。ACE阻害薬は年単位経過後でも発症し、通常のアレルギー治療が効きにくい。
顔・頸・上肢の浮腫+胸壁の側副血行+前屈増悪。多くは悪性腫瘍で腫瘍緊急症。
Baram 2013(ACE阻害薬性血管性浮腫)/Wright 2023(悪性SVC症候群)
ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は末梢浮腫の代表です。
71研究・56,283例のメタ解析で、ニフェジピンが最も浮腫を起こしやすく、ラシジピンが最少。ACE阻害薬/ARBの併用で浮腫リスクが低減する。
| 分布・左右差 | まず考える疾患 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 両側・全身 | 心・腎・肝・甲状腺・薬剤・OSA | JVD+基本検査セット |
| 片側・急性 | DVT・蜂窩織炎 | Wells+Dダイマー+エコー |
| 片側・慢性 | リンパ浮腫・静脈不全 | Stemmer徴候・色素沈着 |
| 顔面 | 血管性浮腫・ネフローゼ | 気道評価・ACE阻害薬歴 |
| 上半身 | 上大静脈症候群 | 側副血行の確認・造影CT |
ご視聴にあたって
本動画は医療従事者向けの教育・知識整理を目的とした情報提供であり、特定の患者の診断・治療方針を保証するものではありません。数値・比率は各コホート研究・総説に基づく目安です。個別の判断は、最新のガイドラインと各症例の病歴・身体所見・検査に基づいて行ってください。
「両側か・片側か・顔か」「急性か・慢性か」を言葉にするだけで、鑑別リストは大きく絞れる。
片側急性はDVT、口唇・喉頭は血管性浮腫、上半身+側副血行はSVC症候群を最優先で除外する。
心・肝・腎・甲状腺・低栄養・薬剤・OSAを、基本検査セットで系統的に振り分ける。
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