医知創造ラボ|てんかん×AI #3

発作を知らせる機械は、どこまで来たか

発作検出ウェアラブルと発作予測の最前線【2026年版】

深掘り③ 脳神経内科医が解説 所要 約11分
今日の問いTODAY'S POINT

発作を知らせる機械は、
どこまで可能か?

結論

検知・予測・予防は別物
誇張せず、現在地を正確に整理します。

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まず整理3 CONCEPTS

検知・予測・予防は別物


用語意味現在地
検知発作が「起きた」を通知GTCSは実用
予測発作が「起きそう」を予報研究段階
予防発作・突然死を防ぐ効果は未証明
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KEY NUMBER — UNDERREPORTING
64%

てんかん発作は患者から報告されない(気づくのは24%)

Hannon 2024 Epilepsia(n=3407)/だから客観計測が要る

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デバイスの種類DEVICE TYPES

何を測り、何を拾えるか


タイプ測るもの得意な発作
手首装着加速度+皮膚電気活動全身けいれん(GTCS)
筋電図(EMG)筋活動全身けいれん(GTCS)
モバイルEEG脳波より広い発作型(検証途上)
植込み型頭蓋内・深部の脳活動焦点発作+予測研究
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よくある誤解COMMON MYTH

どんな発作も検知できる


ウェアラブルはどんな発作でも検知できる

高感度で拾えるのは全身けいれんのみ。欠神や焦点意識減損は依然苦手

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KEY NUMBER — DETECTION
0.91

ウェアラブルの全身けいれん検出感度(メタ解析)

Naganur 2022 Epilepsia/ただし誤警報2.1回/24h・GTCS限定

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KEY NUMBER — CYCLES
2030

発作リスクが揺れる多日周期。発作は周期の上昇相に集中

Baud 2018 Nat Commun(植込み脳波 最長10年・37例)

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発作予測の基盤FORECASTING

てんかんは
「周期的な病気」


発作リスクは日内リズムだけでなく、個人ごとの数日周期で変動します。これを使えば、天気予報のように「発作リスクの高い時期」を見積もれます。

📋 パラダイムの転換

発作は「完全にランダム」ではない。周期を読むことが予測の土台になります。

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予測の進歩PROGRESS

植込みから手首


これまで

頭蓋内・皮下に電極を植え込んで予測(感度65〜100%)

最前線

スマートウォッチの心拍と周期で前向き・盲検予測(AUC 0.77)

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誤解しないためにREALITY CHECK

「予測できる」と
「機器が買える」は違う


前向き試験で有望な結果は出ていますが、いずれも研究段階です。

⚠️

市場に「発作を予測する機器」はまだ存在しない。予測は研究段階です

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KEY NUMBER — SUDEP
13.8

直近3か月の全身けいれんがSUDEPリスクを高めるオッズ比

Langan 2005 Neurology(症例対照)/同室監視は保護的(OR 0.4)

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なぜ夜間かSUDEP — MECHANISM

SUDEPの多くは
夜間に起きる


SUDEPの多くは、全身けいれん発作のあとの中枢性の呼吸・循環障害から始まり、その大半が夜間に起こります。終末的な呼吸停止は発作後11分以内に進みます。

📋 だから

「夜間にけいれんを検知して人を呼ぶ」ことには、合理性があります(同室監視は保護的)。

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重要な但し書きCAUTION

検知できる、は
予防できるではない


夜間監視に合理性はあっても——

⚠️

検出デバイスがSUDEP死亡を実際に減らすエビデンスは、まだ確立していない

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現場のリアルFALSE ALARMS & QOL

鳴りすぎる装置は
使われなくなる


使用者の80.2%が不安の軽減を感じる一方、全体のQOLに有意差はありませんでした。そして——

📋 最大の障壁

小児では、機器を使わない理由の最多(28%)が誤警報。許容できるのは「およそ1発作あたり1回」程度です。

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CRITICAL APPRAISAL
"

発作頻度は自然経過でも下がる
「デバイスで減った」を効果と即断しない。

— デバイス群と非デバイス群で発作軌跡に差なし(Potnis/French 2025 JAMA Neurol)

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まとめSUMMARY

発作検出・予測の現在地


01
検知=GTCSは実用

全身けいれんは感度約90%で検知。自己申告で見落とす発作を客観的に捉える。

02
予測=研究段階

多日周期で前進中だが、市販の予測機器はまだ存在しない。

03
予防=未証明

夜間監視に合理性はあるが、SUDEP予防効果は未確立。誇張は禁物。

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✚ 医知創造ラボ

検知・予測・予防を、
分けて考える。

本動画は教育目的の解説です。診療判断は最新の規制・GLをご確認ください。

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