外来患者指導シリーズ第24弾

脂肪肝(MASLD)の
外来指導

「脂肪肝ですね、痩せましょう」で——
終わらせないための組み立て

医知創造ラボ 監修:今村久司(脳神経内科・総合内科専門医)
今日のテーマTODAY'S POINT

「痩せましょう」の次に、
何を話しますか?

結論

入口は健診のALT 30。目標は体重の「%」。この2つで外来が変わります

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この動画でわかることAGENDA

本日のアジェンダ


1
誰を拾うか健診のALT 30と、数値が正常なときの落とし穴
2
何をどう伝えるか変わった病名、減量の「%」、歩かない運動
3
見落としと見通しやせ型の脂肪肝と、肝臓の外で起きること
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CHAPTER

第1章

誰を拾うか

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日本肝臓学会が示した共通の一線ENTRY POINT

入口をそろえる——
健診のALT 30


日本肝臓学会は2023年、健診でALTが30を超えていたらまず相談を、と呼びかけました。

  • ALTが30を超えたら、まずかかりつけ医へという共有された目安
  • 求めているのは原因の検索——脂肪肝と決めつけない
  • 健康な成人にもALT 30超えは一定の割合でいる
📋 外来トーク例

学会が30を目安にしています。まず原因を確かめましょう」

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奈良宣言が答えていない「すき間」NORMAL ALT

ALTが正常でも、
安心とは限らない


日本の多施設研究が、ALTが30以下の患者さんだけを取り出して検討しています。

  • FIB-4——年齢・AST・ALT・血小板から出す線維化の指標
  • これが高いと、ALTが正常でも進行した線維化が高率に見つかる
  • 2型糖尿病が加わると、その割合はさらに上がる
📋 外来トーク例

「数値が正常でも、確認したほうがよい場合があります

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CHAPTER

第2章

何をどう伝えるか

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名前が変わって、外来の会話が1つ変わるNEW NOMENCLATURE

病名が変わると、
飲酒歴の聞き方が変わる


2023年の多学会合意で病名が変わり、日本のガイドラインも2026年に改訂されました。

  • NAFLDはMASLDへ、NASHはMASHへと名前が変わった
  • 代謝の異常と飲酒が重なる病態にMetALDという区分ができた
  • 「非アルコール性」という否定形の条件が外れた
📋 外来トーク例

「責めるためではなく、見る検査が変わるので正確な量を教えてください」

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ゴールを示さないと、患者さんは動けないTALK IN PERCENT

減量は「体重」ではなく
「%」で語る


生検で確かめた患者さんを1年間追跡した研究で、減った割合と改善の程度が対応していました。

  • 5%——肝臓の状態が目に見えて良くなる
  • 7%——炎症の所見まで届く
  • 10%——硬さが戻る方も出てくる
📋 外来トーク例

「今の体重の5%が目標です。70kgの方なら3.5kgです」

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だから、最初から10%を提示しないONLY A THIRD REACHED IT

その5%を達成できたのは、
およそ3割


同じ研究で、1年かけて5%以上減らせた方は3割ほどにとどまりました。

  • 5%は、決して簡単な目標ではない
  • 「10%減らないと意味がない」は脱落を招くだけ
  • 効果は連続的——減った分だけ返ってくる
📋 外来トーク例

ゼロか百かで考えなくて大丈夫です。まず5%から始めましょう」

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「膝が痛い」で止まらないためにNOT ONLY WALKING

運動は「歩く」
でなくてもよい


有酸素運動と筋力トレーニングを直接比べた系統的レビューがあります。

  • どちらも肝臓の脂肪を改善した
  • 筋トレのほうが体への負担は軽くて済む
  • 有効だった目安は週3回・1回40〜45分・12週間
📋 外来トーク例

「歩く運動でなくて構いません。筋トレでも肝臓の脂肪は減ります

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第3章

見落としと見通し

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体格を見て、拾い上げを緩めないLEAN MASLD

やせていても、
脂肪肝はある


日本の健診受診者を新しい分類で層別した横断研究があります。

  • やせ型の方にも、脂肪肝は一定の割合で見つかった
  • 「太っていないから関係ない」は日本のデータで支持されない
  • ただし予備的な報告——有病率の断定には使わない
📋 外来トーク例

体格だけでは判断できません。やることは同じです」

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「放っておくとどうなりますか」に答えるBEYOND THE LIVER

肝臓だけの
問題ではない


生検で確かめた大規模なコホート研究が、病期ごとの見通しを示しています。

  • もっとも軽い単純性脂肪肝でも、死亡は増えていた
  • 超過死亡の主な中身は肝臓の外のがんと、肝硬変
  • 心血管イベントは別の解析で、全病期にわたり増加
⚠️ 引用上の注意

「死因の第1位は心血管」とは言わない——同じコホートの2論文を混ぜない

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生活指導の枠を超えるサインWHEN TO REFER

こんなときは、
様子見の対象にしない


1健診でALT 30超え

まず原因を検索してから

2ALT正常+糖尿病

FIB-4が高ければ相談を

3指導しても改善なし

栄養指導の併用を検討

4黄疸・腹水・浮腫

速やかに専門診療科へ

📋 症状がない時期こそ、次の検査日を決めて帰す
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まとめSUMMARY

今日の3つの持ち帰りポイント


01
入口は
健診のALT 30

正常値でも、糖尿病があれば硬さを確かめる

02
目標は
「%」で示す

まず5%。達成できるのは3割と知っておく

03
肝臓だけの
問題ではない

やせ型も拾い、肝臓の外のリスクも伝える

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⚠️

ご視聴にあたってのお願い

この動画は一般的な情報提供であり、診断・治療の代わりにはなりません。
症状がある場合は医療機関を受診してください

参考文献・出典REFERENCES 1/2

入口・分類・減量と運動

[1]

日本肝臓学会 奈良宣言2023

[2]

Kawanaka 2025(ALT正常例の紹介判断)

[3]

Rinella 2023(新病名デルファイ合意)

[4]

Vilar-Gomez 2015(減量と組織の改善)

[5]

Promrat 2010(生活習慣介入の試験)

[6]

Hashida 2017(有酸素と筋トレの比較)

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参考文献・出典REFERENCES 2/2

有病率・予後・ガイドライン

[7]

Miwa 2024(日本の健診・新分類)

[8]

Simon 2021(生検確定例の死亡)

[9]

Simon 2022(心血管イベント)

[10]

Kanwal 2021(AGA 診療パスウェイ)

[11]

EASL-EASD-EASO 2024(欧州GL)

[12]

AASLD 2023(米国 Practice Guidance)

[13]

MASLD診療ガイドライン2026(第3版)

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まず、健診のALTから

📄

詳しい解説はブログへ

概要欄からブログ記事ご覧ください

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