上手な病院のかかり方と、家族にできる支え方
ゴールは不安をゼロにすることではありません。
危ないときは迷わず受診、そうでないときは落ち着いて大丈夫。
ありふれた体の不調のうち、検査で原因がはっきり見つかるのは一部だけ。「異常なし」でもつらいのは当たり前です
何度も病院に通ってしまう自分を、責める必要はありません
めまい・だるさ・動悸・頭の重さ・お腹の不調――それは「気のせい」でも「思い込み」でもありません。実際に体がそう感じています。心配になるのも、自分の体を大切に思うからこそです。
「検査で異常なし」=「症状がない」ではありません。「重い病気は見つからなかった」と「あなたのつらさは本物」――この二つは、両方とも正しいのです。
CHAPTER 01
心配や緊張が続くと、体は「自律神経」というしくみを通して、実際に症状を作り出します。大事な場面で胸がドキドキしたり、緊張でお腹が痛くなったり――あれと同じことが起こります。
動悸・めまい・だるさ・お腹の不調・頭の重さは、気のせいではなく、体が本当にそう反応しているのです。
体には、不調を感じ取るセンサーと、それを脳に伝える配線があります。配線が壊れていなくても、不安や疲れが続くと小さな信号まで強く感じてしまうことがあります。
パソコンの部品(ハード)が壊れているのではなく、ソフトの調子が少し乱れている状態に近いのです。だから、画像や血液の検査には写りにくい。「原因不明だから怖い病気」ではありません。
「念のため、もう一度検査すれば安心できるはず」=安心は長続きせず、また心配が戻りやすい
「必要な検査は最初にきちんと受け、異常がなければ、そこからは"検査を増やす"より"落ち着いて経過をみる"へ」
CHAPTER 02
| 体の場所 | こんなサインがあったら、迷わず受診 |
|---|---|
| 頭・脳 | 突然の激しい頭痛/片側の手足が動かない・しびれる/ろれつが回らない・言葉が出ない |
| 胸・呼吸 | 強い胸の痛みや締めつけ/急な息苦しさ・冷や汗をともなう胸の違和感 |
| 意識 | 意識が遠のく・気を失った/受け答えがおかしい・反応が鈍い |
| 消化器 | 血を吐いた/便に血が混じる・真っ黒な便/激しくおさまらないお腹の痛み |
| 全身 | 食べているのに急に体重が減る/高い熱が何日も続く |
「すぐ受診すべき?救急車を呼ぶべき?」と迷ったら――大人は救急安心センター ♯7119、お子さんは子ども医療電話相談 ♯8000へ。看護師などが相談にのってくれます(地域により利用できない場合があります)。
前のページのようなサインがなければ、慌てて夜間や休日に駆け込まなくても、いつものかかりつけ医の予定受診で大丈夫なことがほとんどです。
CHAPTER 03
| 選び方のポイント | こんな視点で選ぶと安心 |
|---|---|
| 通いやすさ | 家から近い・通いやすい場所(続けて通えることが何より大切) |
| 話しやすさ | 話をさえぎらずに聞いてくれる・分かりやすく答えてくれる |
| 相談のしやすさ | 体のことを幅広く相談でき、必要なときは専門の病院に紹介してくれる |
| 続けて診てくれる | 「次は◯日に来てください」と、次の予定を一緒に決めてくれる |
「気のせいだと言われた」「やっかい者扱いされた」=多くの場合、これは誤解です
「眠り・自律神経・ストレスと体の専門家。体はかかりつけ医、心と体のつながりは専門の先生が――二人がかりで支えてくれる」
体調の不安は、一人で過ごす時間が長いほど大きく感じられやすいもの。孤独やつながりの少なさは、健康そのものにも影響します。だからこそ、「人とつながること」も立派な健康法です。
かかりつけ医・地域包括支援センター・市区町村の窓口・趣味の集まりや家族との電話――人と接する時間が増えると、体の不調が気になりにくくなることがよくあります。
「つらいね」「心配だよね」と気持ちをそのまま受けとめる。「気のせい」「考えすぎ」はNG。
相手を責めず「私は心配」と伝える(Iメッセージ)。受診に付き添う・症状メモを手伝う。
症状メモをつける/ネット検索は1日1回まで/散歩・深呼吸など「できそうなこと一つ」から。
✚ 医知創造ラボ
危険なサインは迷わず受診を。迷ったら ♯7119(子どもは ♯8000)。
本動画は教育目的の解説です。気になる症状はかかりつけ医にご相談ください。