医知創造ラボ

片目だけ内側に動かない
内側縦束症候群(MLF症候群)

核間性眼筋麻痺(INO)を、配線図で読み解く

神経 医療従事者向け 所要 約8分
今日のテーマTODAY'S POINT

その水平複視、
病巣はどこにある?

結論

内転できない側が病側
輻輳が保たれるのが動眼神経麻痺との決め手。

医知創造ラボ02
この動画でわかることAGENDA

3つの視点で整理

1
MLFの配線図なぜ内転だけが障害されるのか
2
症状と「病側」の決め方古典像と取り違えない見かた
3
原因と鑑別MS・脳梗塞・その他、そして偽性INO
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CHAPTER

01

MLFの解剖と水平眼球運動回路

05
水平共同注視の配線CIRCUIT — RIGHT GAZE

「右を見る」とき、信号はこう流れる


[ 右を見ようとしたとき ] 左眼:内転できない ✕ » 右眼:外転+眼振 ◯ 中脳 信号が届かない 動眼神経核(III) 外転神経核(VI) PPRF 内側縦束(MLF) 1 2 3 4
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06
なぜ内転だけ?KEY POINT

外転は無事、
内転の指令だけが途切れる


号令(PPRF)も外転(外転神経核)も無事なので外転は正常。MLFが切れて対側の内転指令だけが届かなくなるのがINOの本質です。

📋 鑑別の決め手

輻輳(寄り目)は保たれることが多い。輻輳はMLFを経由しない別経路のため。これが動眼神経麻痺との見分けの核心です。

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CHAPTER

02

典型所見と
「病側」の決め方

08
古典像CLASSIC SIGN

病側の内転障害+対側の外転眼振


対側へ注視すると、病側の眼が正中を越えて内転できない(または遅い)。同時に外転した健側眼に外転方向の眼振が出ます。

⚠ 病側の決め方(最重要)

病側は「内転できない眼」の側。眼振が派手なのは外転した健側眼ですが、責任病巣のMLFは内転障害が出ている側にあります。取り違えない。

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09
INOの亜型INO-PLUS

片側・両側・WEBINO・one and a half


亜型所見示唆
片側INO一側の内転障害+対側外転眼振脳幹梗塞
両側INO両眼の内転障害+両側外転眼振多発性硬化症
WEBINO両側INO+正面視で両眼が外開き広範な両側障害
one and a half片側水平注視麻痺+INOPPRF+同側MLF
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CHAPTER

03

原因疾患と鑑別診断

11
原因の内訳ETIOLOGY

INOの三大原因 ―梗塞・MS・その他


脳梗塞
38%
多発性硬化症
34%
その他(外傷・腫瘍ほか)
28%

Keane JR. Arch Neurol. 2005(自験410例の単施設シリーズ)。片側性は梗塞87%・MS27%。

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MS vs NMOSD
16%

INOはNMOSDよりMSに特徴的
(MS 16% vs NMOSD 1.25%)

Hamza MM, et al. J Neuroophthalmol. 2022(280例)

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鑑別診断DIFFERENTIAL

似た所見との見分け


病態内転鑑別のカギ
INO障害(病側)輻輳は保たれる/眼瞼下垂・瞳孔散大なし
動眼(III)麻痺障害輻輳も障害/上下転障害/眼瞼下垂・瞳孔散大
外転(VI)麻痺正常(外転障害)所見が逆。患側の外転ができない
偽性INO(MG)障害(変動)MRI陰性/易疲労・日内変動/抗AChR抗体
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まとめSUMMARY

INOを見たら、この3点


01
内転できない側が病側

古典像は病側の内転障害+対側(外転眼)の外転眼振。眼振の派手さに惑わされない。

02
輻輳保持が決め手

輻輳が保たれれば核間(MLF)の病変。動眼神経麻痺との見分けの核心。

03
原因は年齢と左右で

若年・両側=MS/高齢・片側=梗塞。MRI陰性なら偽性INO(MG)を必ず鑑別。

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