人口・家計金融資産・相続税の公的統計から読み解く
相続は「若者」への移転ではありません。80〜90代の親から、すでに高齢になった50〜70代の子へ資産が移り、消費されないまま積み上がっていきます。
| 人口指標 | 2026年 | 2036年 | 10年間の変化 |
|---|---|---|---|
| 総人口 | 約1億2,266万人 | 約1億1,590万人 | 約676万人減 |
| 15〜64歳人口 | 約7,274万人 | 約6,627万人 | 約647万人減 |
| 65歳以上人口 | 約3,656万人 | 約3,803万人 | 約147万人増 |
| 高齢化率 | 約29.8% | 約32.8% | 約3ポイント上昇 |
出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計
出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」表1-5
2024年の実測は約160.5万人で過去最多。同年の推計値 約150.8万人を約10万人上回り、増加ペースは推計より速い可能性。
出所:日本銀行「資金循環統計(速報)」2026年3月末・前年比+7.1%。株価上昇など評価変動を含み、2036年へ単純延長はできません
| 世帯主の年代 | 平均金融資産残高 |
|---|---|
| 60歳代 | 約1,896万円 |
| 70歳代 | 約1,734万円 |
| 80歳以上 | 約1,619万円 |
出所:総務省統計局「2019年全国家計構造調査」表I-6(総世帯・単身世帯を含む。金融資産を保有しない世帯も含めた平均値)
出所:内閣府「令和6年度 年次経済財政報告」第3章(相続税の申告データに基づく)
52.1%や72%の母集団は「相続税の申告があった相続」に限られます。2024年の死亡者160万5,378人のうち、申告対象の被相続人は16万6,730人、課税割合は10.4%でした。
相続税の対象は全体のおよそ1割。「被相続人の72%が80歳以上」という一般化はできず、まとまった資産が動く相続に限った話です。
今後10年で所有者を変えうる
家計金融資産の規模感
三井住友信託銀行・財務省財務総合政策研究所の30年試算(644兆円)を単純に3等分(644÷3≒約215兆円)
出所:三井住友信託銀行「相続に伴う家計金融資産の地域間移動」(2022年)。地域をまたいで動く金融資産は約124.5兆円と試算
預金・上場株式・投資信託
口座を移すだけで、相続人の居住地(都市部)へ移りやすい
地方の実家・空き地・山林・墓
固定資産税・草刈り・修繕・解体・相続登記という管理負担が地方に残る
まとまった資産が入れば、
消費や景気が押し上げられるはず
受け取るのは老後不安を抱える60代。
納税・住宅ローン返済・口座集約・再投資に向かい、老後資金として再び保有されやすい
| 論点 | 2036年に起こりやすい姿 | 確度 |
|---|---|---|
| 相続の中心 | 80〜90代から50〜70代への老老相続 | 高い |
| 資産の使途 | 消費より再保有・再投資・債務返済 | 高い |
| 地域移動 | 地方の流動資産が都市圏へ移る | 中〜高 |
| 金融機関 | 大手・信託・ネットの存在感が上昇 | 中程度 |
| 格差 | 同世代内・家系間・地域間で資産差が拡大 | 中〜高 |
| 消費 | 全国的な相続消費ブームは起きにくい | 中〜高 |
| 地方 | 空き家等の管理負担が残りやすい | 高い |
注:確度は本稿で確認した統計・試算をもとに整理した定性的な評価で、公式の予測値ではありません
資産のある相続は、老親から高齢の子への老老相続が中心です。
老後不安を抱える60代が受け取るため、再保有・再投資に向かいやすい。
相続の有無が、住まい・介護の備え・次世代への援助力を分ける。
ご視聴にあたってのお願い
この動画は公的統計に基づく解説であり、特定の資産運用・相続対策の推奨ではありません。
個別の相続・税務・投資のご判断は、税理士・弁護士・金融機関など専門家にご相談ください。
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