スタイレット(ガイドワイヤー)/エビデンス・国内外ガイドライン・添付文書からの考察
確認するまで抜かない=入れたまま撮影が標準
| 案 | 手順 | 位置づけ |
|---|---|---|
| A案 | スタイレット挿入下でX線撮影 → 確認後に抜去 | 標準・多数派 |
| B案 | スタイレットを抜いてから撮影 | 少数意見 |
B案の問題意識は抜去時に先端がずれる懸念にある。
スタイレット等は、チューブが正しい位置に留置されたことを確認するまで引き抜かないこと
— PMDA 経腸栄養用チューブ 添付文書改訂指示
一度抜いたスタイレットは、体内のチューブへ入れ直さない。
側孔から先端が飛び出し、消化管壁を損傷するおそれがある。
抜去時に先端がずれるので、抜いてから撮るべきだ
問題意識は妥当。だが誤留置が分かっても再挿入で修正できず、運用として破綻する
| 国 | 第一選択 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本 | X線(最も信頼できる確認) | pH測定は補助・気泡音は単独では不可 |
| 英国 | 吸引液pH ≤5.5 | 判定できない場合にX線を用いる |
数字で見る根拠
胃内と判断する目安(英国は第一選択・日本は補助)
肺内誤挿入例で先端が気管分岐部より深部(中央値)
Slingerland-Boot R, et al. Clin Nutr 2021;40(8):5000-5007/Taylor S, Manara AR. Br J Radiol 2021;94:20210432
入れたまま撮る場合も、
正しく胃内を確認できる撮影・読影でなければ意味がない。
「入れたまま撮影」を推奨しても、事後のX線確認そのものに限界がある。
正しい位置を確認するまでスタイレットは抜かない。
抜去は不可逆な操作。確認前に抜くと修正できない。
ゆっくり抜去し、pH・外部マーキングで管理する。
PMDA. 経腸栄養用チューブ添付文書改訂指示.
日本医療安全調査機構 提言第6号(2018).
NHS England / NPSA. NG/OGチューブ位置確認.
RCR. Chest x-ray confirmation of NG tube.
Taylor S, Manara AR. Br J Radiol. 2021;94:20210432.
Slingerland-Boot R, et al. Clin Nutr. 2021;40:5000-5007.
ご利用にあたってのお願い
本資料は医療従事者向けの学習教材であり、特定の患者への診療行為を指示するものではありません。
実際の手技は自施設のマニュアルと使用製品の添付文書を最優先してください。