医師が採点するアンチエイジング 第7回
地中海食とビーガンで老化は遅れる? 医師の採点とやること
2026年10月1日時点の研究と公的資料に基づく一般向けの資料です。
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ことば 地中海食:オリーブ油と野菜・果物・豆・魚が中心で、肉は少なめの食べ方3。/ビーガン:卵や乳製品も含め、動物由来の食品を食べない食べ方。/二次予防:病気を一度起こした人が再発を防ぐこと。/ビタミンB12:血液や神経に必要なビタミン。動物由来の食品に含まれる9。
地中海食は「効く(条件つき)」/ビーガンは「まだ分からない」
どちらも、老化や寿命そのものは人で確かめられていない
| 物差し | 地中海食 | ビーガン・ベジタリアン |
|---|---|---|
| ①根拠の強さ | A(条件つき) 人の試験で心臓や血管の病気が少なくなった1。論文は取り下げと出し直しを経ている2 | B 人の試験でコレステロールや体重が下がった5。死亡は観察研究で結果が割れている6,7 |
| ②効果の大きさ | 中 危険の高い人で、心筋梗塞・脳卒中などの合計が約3割少ない。全体の死亡は減っていない1,3 | 小 病気や寿命への効果は分かっていない |
| ③安全性 | 高 害は、報告した試験で「無いか軽い」3 | 中 ビタミンB12を補うことが前提9。観察研究でビーガンに骨折が多い8 |
| ④費用・手間 | 中 試験では油とナッツが無料で配られた1。金額の出典はなく、示さない | 中 食品の選び方と栄養の補い方を計画する手間がある |
①根拠の目盛り:A=ヒトの試験で病気や死亡などが減った/B=ヒトの試験で検査値や体の機能が良くなった/C=観察研究や小規模な試験まで/D=動物や細胞のみ。この採点はこのチャンネルの物差しによるもので、診療ガイドラインではありません。
日本人はどう取り入れるか
「取り下げられた試験だから信用できない」は本当? 一部で、くじ引きの手順が守られていなかったため取り下げられましたが、解析をやり直して出し直され、結果はほぼ同じでした1,2。結果の向きは同じですが、確かさは一段下がります。
今日からやること
- 地中海食をそのまま真似るより、いまの食事を整える。野菜・豆・魚を多めに、肉の脂身と塩分は控えめに。
- オリーブ油やナッツは、足しすぎない。
- 「若返り」を目的に、食べ方を極端に変える必要はありません。
- ビーガンにするなら、ビタミンB12を必ず補う。持病のある人は、食事を大きく変える前に主治医に相談してください。
- Estruch R, et al. N Engl J Med. 2018;378(25):e34. PMID 29897866
- Estruch R, et al. N Engl J Med. 2018;378(25):2441-2442. PMID 29897867(撤回と再掲載の通知)
- Rees K, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2019;3(3):CD009825. PMID 30864165
- Delgado-Lista J, et al. Lancet. 2022;399(10338):1876-1885. PMID 35525255
- Koch CA, et al. Eur Heart J. 2023;44(28):2609-2622. PMID 37226630
- Orlich MJ, et al. JAMA Intern Med. 2013;173(13):1230-8. PMID 23836264
- Appleby PN, et al. Am J Clin Nutr. 2016;103(1):218-30. PMID 26657045
- Tong TYN, et al. BMC Med. 2020;18(1):353. PMID 33222682
- 厚生労働省 eJIM. ビタミンB12(医療者向け).
- Kurotani K, et al. BMJ. 2016;352:i1209. PMID 27005903
- 日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.
- Klug A, et al. Ernahrungs Umschau. 2024;71(7):60–84(ドイツ栄養学会の見解).
一般的な医学情報で、個別の診断・治療に代わるものではありません。地中海食の試験は、スペインの、心臓や血管の病気の危険が高い人が対象です1。心臓の病気がある人の試験でも、地中海食で再発などが少なくなりました4。