医知創造ラボ

「とりあえず生食」でいいですか?

細胞外液補充液(生食 vs リンゲル液)の使い分けを医療従事者向けに要点整理

◎ 原則
迷ったらバランス液
敗血症・DKA・急性膵炎で有利
△ 例外は2つだけ
TBI・高K血症は生食
バランス液は低張・K⁺含有のため
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生食は意外と「非生理的」
生食のCl⁻は154mEq/L=血漿(約100)の1.5倍。大量投与で高クロール性代謝性アシドーシス。リンゲルは109で血漿に近い。
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1/4ルール
細胞外液補充液は等張で細胞外液全体へ分布。1,000mL入れても血管内に残るのは約250mLだけ。「出血量の3倍」の根拠。
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大規模RCTの結論 ― 全体は僅差、病態で差が出る
バランス液
生理食塩水
院内死亡はほぼ同等(BEST-Living・34,685例)。
全体でバランス液が有利な事後確率89.5%=僅差。
一方TBIではバランス液で害97.5%
Zampieri 2024 Lancet Respir Med(DOI:10.1016/S2213-2600(23)00417-4)
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病態別の第一選択
バランス液
敗血症/DKA(HAGMA解消が速い)/急性膵炎(重症化↓ OR0.48)/出血性ショック
生理食塩水
外傷性脳損傷(TBI・脳浮腫回避)/重度の高カリウム血症(>6.0)
維持液(3号)
循環が安定したあとの水分・電解質維持。補充液の継続はNa過剰に
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緩衝剤の使い分け
乳酸/酢酸/重炭酸で死亡・AKIに有意差なし。肝不全でも乳酸28mEqは産生量に比べ微量。不安なら酢酸・重炭酸へ。
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商品名⇔一般名
乳酸=ラクテック・ソルラクト/酢酸=ヴィーンF/重炭酸=ビカネイト・ビカーボン。「いつもの輸液」がどの群か把握を。
Fluid Stewardship ― 輸液を「薬」として管理
オーダー前に4つの問い:①本当に必要か ②種類は最適か ③量は適切か ④いつ止めるか。種類だけでなく量・速度・中止まで(ROSE model/ESICM 2024-2025)。
出典:SMART・SALT-ED・BaSICS・PLUS・BEST-Living・ESICM 2024 GL・RINSE-DKA(いずれもPubMed照合済)

※本図は医療従事者向けの教育目的の要約であり、診断・治療を代替しません。実際の輸液選択は患者の病態・併存疾患・施設採用製剤をふまえ最新のガイドラインに従ってください。
解説記事:「とりあえず生食」はもう古い? 細胞外液補充液の使い分け完全ガイド