✚医知創造ラボ|管理栄養士・NST向け
GLIM基準 ― 低栄養診断の世界共通ルール
スクリーニング→診断→重症度の3ステップ・表現型3項目・病因2項目のカットオフを1枚に(2024 JSPEN改訂/2025 5年アップデート対応)
◎ 診断のルール
表現型1つ+病因1つ
「結果(からだ)」と「原因」の掛け算で診断する
△ 落とし穴
片方だけでは診断しない
「BMIが低い=低栄養」ではない。原因が要る
🔎
診断は3ステップ
① スクリーニング
MNA®-SF・NRS-2002・MUSTなど検証済みツールで栄養リスクを拾う(入口であって診断ではない)
② 診断
表現型基準と病因基準を評価。両方から1つ以上で低栄養と確定
③ 重症度判定
表現型基準だけで中等度(ステージ1)/重度(ステージ2)を判定
📋
表現型基準 ― からだの所見(1つ以上該当)
① 意図しない体重減少
6ヶ月以内に5%超、または6ヶ月超で10%超
② 低BMI
70歳未満18.5未満/70歳以上20未満(kg/m²・アジア人カットオフ)
③ 筋肉量減少
DEXA・CT・BIAで評価/下腿周囲長で代用可。握力は代用にしない
🧬
病因基準 ― なぜやせたか(1つ以上該当)
④ 食事摂取量減少/消化吸収能低下
1週間以上 必要量の50%以下/2週間以上の摂取減/慢性的な消化管の障害
⑤ 疾患負荷/炎症
急性疾患・外傷による炎症/がん・COPDなど慢性疾患による炎症(臨床判断でよい)
📊
重症度判定(重度=ステージ2の目安)
体重減少
6ヶ月以内に10%超、または6ヶ月超で20%超
低BMI
高度な減少 (日本人のカットオフは未確定)
筋肉量減少
高度な減少 (日本人のカットオフは未確定)
⚠️
最も誤解されやすい点
重症度の低BMI・筋肉量は日本人カットオフが未確定。明確に数値判定できるのは体重減少だけです。
🔬
研究レベルの重度BMI
日本発の研究では重度低栄養のBMIとして70歳未満17.0・70歳以上17.8が提案・検証されつつあります(Maeda 2019 ほか)。
🆕
2025年・GLIM 5年アップデート
体重減少・低BMI・食事摂取の基準は改訂なし。メタ解析で妥当性は強いと確認され、筋肉量・炎症は「利用可能な資源・臨床判断で評価」と整理。本図の数値は最新版でもそのまま使えます。
出典:JSPEN GLIMワーキンググループ GLIM基準による低栄養診断のプロセス(2024.10.10改訂版)/Cederholm 2019・2025 Clin Nutr/Barazzoni 2022/Maeda 2019(PubMed・DOI照合済)
✚ 医知創造ラボ
※本図は医療従事者向けの教育・情報提供です。実際の診断・栄養管理は各施設のプロトコルおよび最新ガイドラインに従ってください。
解説記事:GLIM基準とは|低栄養診断の表現型・病因・重症度カットオフを図解【管理栄養士・NST向け】