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何もしなくても被ばくしている——単位と自然放射線
吸収線量:Gy(グレイ)
物質1kgが吸収したエネルギー量。装置の出力(CTDIvol・Ka,r)や皮膚線量はこの単位。
実効線量:Sv(シーベルト)
臓器ごとの感受性を加味した全身への影響の指標。検査どうしの比較にはこちらを使う。1 mSv(ミリシーベルト)=1,000 μSv(マイクロシーベルト)。
宇宙から
0.30mSv
大地から
0.33mSv
ラドン・トロン等
0.48mSv
【日本平均・年間】 上記に食物からの 0.99 mSv を足した合計 年2.1 mSv を、日本では暮らすだけで浴びている(世界平均 2.4 mSv)。東京—ニューヨーク往復の飛行機でも 0.11〜0.16 mSv 浴びる。
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検査別の典型実効線量(1枚の表)
検査典型実効線量
胸部単純X線写真0.1 mSv
頭部CT(単純)1.6〜2 mSv
胸部CT6.1 mSv
腹部骨盤CT7.7 mSv
全身PET-CT22.7 mSv
MRI0 mSv(電離放射線ゼロ)
出典:RadiologyInfo.org(RSNA/ACR)。頭部CTの実測中央値は約2 mSv(Smith-Bindman 2009)。日本のDRL(診断参考レベル)は装置の線量指標であり、患者の実効線量そのものとは別の量。
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脳神経内科でよく出す検査の各論——RI・PET・血管撮影
DATスキャン(185 MBq投与)
3.94〜4.35mSv
PMDA公開資料の線量評価(日本のDRLは190 MBq)。実効線量当量では 0.024 mSv/MBq×190 MBq=約4.6 mSv(Booij 1998・量の体系が異なる)
心筋MIBGシンチ(130 MBq)
約3.3mSv
0.025 mSv/MBq(実効線量当量・Verberne 2008)との積
アミロイドPET(flutemetamol 185 MBq)
4mSv
Leide-Svegborn 2026
アミロイドPET(florbetapir 370 MBq)
6.88mSv
Joshi 2014
脳血管撮影(診断・基準点空気カーマ Ka,r)
470〜490mGy
脳血管内治療(IVR・基準点空気カーマ Ka,r)
1,000〜4,300mGy
実測皮膚線量は平均1.00 Gy・最大4.80 Gy(Bärenfänger 2019)
【代表的な例】 脳血管内治療は、診断検査(mSvの桁)とは異なりGyの桁の皮膚線量に達しうる代表的な手技のひとつ。塞栓術後に一時的な脱毛が報告されている(多くは回復・Freysz 2014)。
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症状が出るのはどこから——しきい値はGyの桁
造血能低下
0.5Gy
白内障
0.5Gy
一時的脱毛
約4Gy
皮膚発赤
3〜6Gy
全身1 Gy以上で嘔気・嘔吐(環境省資料/ICRP Publication 118)。診断検査はmSv(1/1000)の桁のため、通常はこの領域に届かない。
【結論】 医療被ばくに「何回まで」という上限は設けられていない。1回ごとに「正当化(本当に必要か)」と「最適化(線量を下げられないか)」で判断する——それが唯一の答え。